こんにちは。
ついにアメリカで第一子を出産しました。満期産で誘発分娩でした。
ある日の朝 8時
エコーのクリニックに出かけると、
『誘発分娩になったので今日入院になります。電話で連絡するので自宅待機してね。本当におめでとう!』
と一方的に告げられて驚きましたが、ひとまず帰宅して準備をしました。
お昼前
帰宅後3時間以上経過して、お昼前になってようやく電話が鳴りました。
『夜20時ごろに入院になるけど、病院が混んでたら無理なので、18時半ごろに病院に電話をして行って良いか確認してね』とのこと。特に急がないのでのんびりのようです。
夕方18:30
夜までは普段通りに過ごして、仕事も少ししたりして、夜ご飯やシャワーも済ませてしまってからいよいよと思って18時半に病院に電話をかけると、
『今は混んでて無理なので20時半にまた電話してね』
と告げられました。
夜20:30
特にすることもないので海外ドラマなどを観たりして、20時半に再度電話をすると、ようやく『今から来てね』という事でした。
緊急の病態ではないことは良いことですが、とにかくのんびりでした。
病院到着後、受付の人と談笑しながら入院手続きをして、22時ごろには分娩室に案内されました。広くて快適そうな部屋で、しきりにテレビも観れるよと紹介されました。
22時過ぎ
看護師さんによる問診が始まりましたが、こちらもとにかくスローペースです。
ちょっと待っててね、と言って30分ぐらい部屋からいなくなったり、点滴のラインを取ったり、他の人がエコーをしに来てくれたり。
この段階で、出産の時の小児科医は誰が良いかとか、麻酔方法は?などを聞かれました。
日が変わってもまだ問診が終わらないし、子宮口の診察もまだだし、いつ眠れるのかなと思いながら…結局眠れたのは夜中の3時でした。
この日はとにかく病院が混んでて大変だったそうです。
ただ看護師さんは終始穏やかな物腰で、ピリピリした雰囲気はなくって、こちらも病気ではなく出産なので、ゆったりと迎えられてかえってよかったかもとも思いました。
夜中でも看護師さんがゆったりと仕事が出来るのは、マンパワーが充実しているからだと思います。実際に夜中にも関わらず、診察だと言っていろんな人が来室しました。医療費が高いのも納得です。
深夜3時ごろ
夜中3時を過ぎてようやく寝ることができましたが、結局はこの1時間後ぐらいに陣痛が始まり分娩となりました。
4時半ごろ
経験したことのない腹痛で目が覚めて、その後痛みでシバリング(体の震え)が起きました。
看護師さんに痛いと訴えると、痛み止めに Dilaudid を使うかと聞かれて、迷っていたというか何の薬かわからないので返事できずにいると、また決めたら教えてねと言われました。
Dilaudid はどうやらオピオイド鎮痛薬、つまり麻薬でモルヒネから作られるお薬のようでした。麻薬を点滴して赤ちゃんに影響がないのかどうか不安でしたが痛すぎて…使うことにしました。
Diloadid 1本の半分は筋肉注射、半分は点滴に注射されました。私は体も大きくはないし、たぶん多過ぎて効きすぎるのではと思いながらされるがままでした。
薬を注射すると、胸のあたりが熱くなってなんとも言えない気分になるのですが、その後全身の感覚が鈍くなるような、手足は少し暖かくなったような気分がして、痛みが遠のきました。シバリングで、痛みのために寒くもないのにずっと震えていてしんどかったのですが、これも止まったので体力が温存されてよかった気がします。
ただ、やっぱり1本は多かったみたいで、出産が終わった後もずっと薬の効果が残っていて、少し吐き気と頭痛が夜まで続きました。お薬の量は半分で十分だったと思います。
朝6時ごろ
痛みと麻薬で朦朧とする中、子宮口が開大してきたみたいなので、無痛分娩の麻酔をしてもらえることになりました。
驚くべきことに、この状態でIC (検査の説明と同意) があります。
麻酔科医がお部屋にやってきて、リスクとベネフィットのようなことを説明してくれましたが、痛すぎて…… もう同意するので早く麻酔して欲しい気持ちでいっぱいでした。
硬膜外麻酔はなんと座位でしました。
子宮の収縮がある時は手技は中断するのですが、この段階では収縮は3分に1回ぐらいになていたので、手技が終わるまでに20分ぐらいかかり、この間ずっと座っているのは辛かったです。
朝7時半ごろ
麻酔薬を注入して5分ぐらいで、お腹の痛みはどこかへすーっと消えて行きました。
にわかに静寂が広がって、さっき打ってもらった麻酔の効果だけが残って、ずっと泥々と眠っていたように思います。
硬膜外麻酔を入れ終わってすぐに診察すると子宮口はほぼ開大していたので、全開大を待ってお産を終えました。
痛みがないので、モニターで見て、子宮の収縮が始まると、それに合わせて息むというシンプルな行程でした。
1回の収縮につき、3−4回ぐらい息むのですが、10回ほどの収縮を終える頃には赤ちゃんが出てきました。全く痛くないので本当に楽でした。
息む行程は看護師さん2人と一緒に始めました。
赤ちゃんが出そうになってくると、中堅ぐらいの産婦人科医2人、さらにもう出そうになると年配の産婦人科医が集まってきました。
赤ちゃんが出てきた瞬間は20秒ぐらい泣かなかったので、その数十秒後ぐらいにNICUのドクターが分娩室になだれ込んできて、出産直後は広い分娩室が人でごった返すような状況になりました。
幸い1分後には赤ちゃんが泣いたので、無事を確認すると2−3分で人はどこかへ消えて行きました。マンパワーの豊富さ、機動力に感動しました。
その後、カンガルーケアをゆったりと2時間はさせてもらえました。
自分から赤ちゃんが出てきたことは全く信じられませんでしたが、このカンガルーケアの時間でどんどん実感が湧いて来ました。
お昼12時ごろ
分娩を終えて落ち着くと、病室に案内してもらいました。
お昼ご飯は、メニューから選んで注文するスタイルで、ホットドック、チーズバーガー、ポテトなどアメリカンメニューが並んでいました。
麻薬がまだ効いていたのでちょっときついメニューでしたが、ジンジャエールは美味しかったです。
分娩から2日後には退院になりました。
何はともあれ無事に出産を終えることが出来てよかったと思います。
それではまた。